コンピューターが五感を獲得したとき、まだ人類に残されているものとは……。


hashihime

1.2015年現在、コンピューターはまだ脳を上回っていない。

DSCF3919

2015年現在、多くの方々が「パソコンがないと、仕事にならない」などと言いながら、コンピューターを道具として使って働いています。しかし、細胞数とトランジスタ数を比較すれば、多くの場合、軍配はまだ人間にあがるでしょう。脳には千数百億もの細胞がありますから、やはりコンピューターのトランジスタ数といえども、なかなかそれを上回ることができなかったのです。

ところが、「半導体の集積密度は18ヶ月~24ヶ月で約2倍になる」という【ムーアの法則】によると、2018年~2020年にはコンピューターのトランジスタ数が、人間の脳細胞を上回るという計算が成り立ってしまいます。1990年代、今のスマートフォンと同じ処理能力を搭載させるには、六本木ヒルズ2棟程度の空間が必要でした。しかし、それからわずか10数年後には手のひらサイズの高性能コンピューターが一斉に普及したのです。この成長率が継続すれば、人間の脳を上回るという説も、現実味を帯びてきます。

 

2.東京オリンピックまえ、人類はコンピューターにほぼ詰まれる。

10292551_809465379100060_6457118608329896765_n

コンピューターが人間の脳を上回ったら、どうなるのでしょうか。

Bill Gates氏や堀江貴文氏は「単純労働をすべて機械に任せ、私たち人間がクリエイティブな仕事のみに集中できる未来」を示唆しているものの、そうはならないでしょう。むしろ人間こそがコンピューター制御された時空間で単純労働を繰り返す生物になっている氣がしてなりません。なぜなら、現代のクリエイティビティ性はほとんど人間の五感に依存しているからです。

 

3.東京オリンピックあと、コンピューターは五感を獲得しにくる。

10407469_747183145328284_1547476625956447185_n

スタンフォード大学でポスドクをしているMichal Kosinski氏の研究では、コンピューターの方が友人や家族よりも正確な性格判断ができると結論付けられました。つまり、今やコンピューターは、感情や感性といった人類にとってかつて聖地だった領域まで浸食しはじめているのです。事実、IBMは2018年までにコンピューターに五感を持たせると発表しています。コンピューターが自ら五感を獲得しにくる日もそう遠くはないでしょう。

 

4.五感から脱しなければ、人類は終焉するしかない。

10486463_729382640441668_7606270676481584007_n

五感を研ぎ澄ましたところで、コンピューターに勝てない時代がすぐそこまで来ていますが、そもそも人間の五感というのはそれほどまでに素晴らしいものなのでしょうか。たしかに五感がなければ、脳は頭蓋骨という牢獄に構造上入っておりますから、何ひとつ視ることもできなければ、感じることもできません。しかしながら、その外界と繋がれる接点が5つしかないというのもまた頼りない話で、人間は五感に縛られているとも考えられます。

 

5.コンピューターは静かなダルマさんになれない。

1497631_625720140807919_2097920180_n

プノンペンの人材教育会社(株)橋姫では、遊戯の一環として「ダルマさんが転んだ」を取り入れています。ただ日本の「ダルマさんが転んだ」とは少し異なり、ふたり一組の子どもたちが握手をしながら、そっと鬼の背後に近づいていきます。握手というのは、互いの肘の角度がほぼ等しくなるが故に馴染む文化的所作になりますので、人間というのはその間柄が馴染めば馴染むほど、静寂さを発するようになるのです。

ここ数年で、文明の担い手の多くは残念ながら、コンピューターにとってかわります。しかし、たしかな文化は人間だけしか担えないものなのです。文化的身体とその身体教育こそ、人間に残された最後の砦なのではないでしょうか。

 

【参考文献】

The Wall Street Journal

Stanford News

It World Canada