マイナス20%の満足生活:腹8分目・知8分目・身8分目


hashihime

1.先進国の食料自給率において、日本は最も危ない。

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(先細る日本の食料自給率)

2015年現在、一般的に65歳というとサラリーマンであったなら、引退を考える年齢になります。ところが、農家の平均年齢はすでに65歳を越えており、日本の食料自給率も40%を切っています。仏国の食料自給率が約130%、米国のそれが約120%、独国の食料自給率が約90%であることを視れば、先進国の食料自給率において、日本は著しく遅れているのは明らかです。計算上、齢65歳を越えた方々が、ひとりで100人以上の国民を食料面で支えていかなければならなくなる時代、もしかしたら肝要なのは、生産量を増やすという姿勢よりも、消費量を減らすという視点なのかもしれません。

2.-20%満足生活

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(まずは腹8分目)

ライフデザイン研究所の浜岡康雄先生は、あえて少しひもじい状態に置くことを意識した『-20%の満足生活』という知的ライフスタイルを提唱されています。かつて美しいばかりの農業国家であった日本の食糧事情は、今や輸入に頼らざるを得ません。世界中から化石燃料を使って洪水のように運ばれるフードマイレージ。その距離は、9000kmにもおよびます。衛生管理上の問題もあるかとおもいますが、それよりもはるか遠くの地で奪われた生命をいただくという食糧事業が、昨今の日本で命の尊さが薄れたことと無関係ではない感じが致します。私たち日本人には、100g1000円の肉よりも80g1000円の肉を買うという生活の知恵が必要なのです。

3.地産地消を失った国が、農業指導をできるのだろうか。

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(地産地消)

戦後の日本と似ていると評判のカンボジアが直面している農業問題に、国境付近の農作物を隣国から安く買いたたかれ、それを再び国内へと輸出されているという現状があります。このような問題の背景には、カンボジアにおける交通の便の悪さ、未発達な流通があるのかもしれません。それでもしかし、カンボジアの食料自給率は約120%と、自分たちで食べるものは自分たちでつくるという地産地消は消えていないのです。正確な流通を誇る日本。その日本が至った道は、世界一のフードマイレージを要する食料輸入国家です。食料自給率が2割近くまで落ちている国が、隣国から安く買いたたかれながらも、食料自給率120%を誇る国に農業指導をしにいく。この図式に違和感を憶える方がどれだけおいでるのでしょうか。たとえ農業技術が優れていても、地産地消という基本的な精神が育まれなければ、農業の復活は厳しくなる可能性がでてまいります。

4.農業復活は、もったいないという氣づきから。

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(次に知8分目)

資本主義という小さな舟に、あまりに多くの方々が乗ってしまい、食もひとつの商品として堕落化の一途を辿ってきたのかもしれません。一部は肥料にされているとはいえ、コンビニエンスストアやスーパーマーケットの賞味期限あるいは消費期限が切れた食べ物の棄てられ方を眺めていると、いかにその食育プロセスがなかったのかがわかります。あまりにもったいないことです。どの食材が健康や美容によいといった情報を得て、それを国内外にかかわらず遠くの地から輸入する。このような姿勢もたしかに重要です。しかし、それ以前にこのような知を8分におさえ、残りの2分を空っぽにし、今ここにある地に耳を傾ける必要もあるのではないでしょうか。グローバル化した時代だからこそ、分母なる母国であり、伝統料理なのです。

5.一期一会に偶然がはいる余裕を。

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(最後に、身も8分目)

農家の平均年齢にはいろうとするサラリーマンの場合、会社という肩書きを失うことも少なくありません。このようなご時勢ですから、引退より新たな仕事を選択されることもあるでしょう。そのとき、大概はハローワークにいかれます。そして、これまでの仕事とはかけ離れた単純な仕事しかできない自分に愕然とされることが多いのです。人脈だと感じていたのは同僚のみ。職場を離れれば、誰も識らないし、誰も助けてくれない。このような生き方をされると、やはり或る種の危険性を感じざるを得ません。現役のときから外のご縁も大切にし、たくさんの私を意識的につくっておかなければ、老後破産も他人事ではなくなってしまいます。会社に10割を注ぐのでなく、2割を余し、外からの機会を積極的に待つ。この姿勢は数十や数百のプロジェクトを同時に抱えるトップクラスのフリーエージェントも同じではないでしょうか。彼らもまた-20%の余裕を意識的につくり、また新たな時代を迎いいれているのです。